製造トレンドの変化
シャープ、テレビ向け液晶ディスプレイ製造の堺工場停止
シャープは、シャープ子会社の堺ディスプレイプロダクトの工場を9月末までに停止する計画を表明しました。
2000年代は日本の大手製造メーカーが液晶テレビの製造・販売で業界を牽引していました。
その後、韓国や中国の製造メーカーがディスプレイ製造事業に参入してから、
ディスプレイ製品の価格競争が激しくなって、日本の大手製造メーカーが生産から撤退をしてきていました。
シャープも例外ではなく、液晶テレビ製造事業の採算が取れない状況が続いたため、今回の決断となったものと考えられます。
ユーザー側がアマゾンプライムやネットフリックス、YouTubeなど、
動画をネットでストリーミング視聴するトレンドもテレビ向けディスプレイ製造、製品の仕様の行先に影響を及ぼしているとも考えられます。
筆者も振り返ってみるとすっかりネットで動画視聴している時間が明らかに増えていることに気づかされます。
米AppleのM4チップ搭載新型iPad Pro2024年モデル
ディスプレイ性能はパソコンやスマホ、タブレット製品の性能を示す重要な存在となってきています。
M4チップを搭載した新型iPad ProはタンデムOLEDという、有機ELディスプレイを二層に重ねた仕様となっています。
ITデバイス製造は設計と製造を分業していることで設計は設計、製造は製造で技術を磨いてきている背景があると考えられます。
また、生成AIやAI機能への対応へ含みを持たせた開発傾向となってきていることも意識すべきことかもしれません。
日本は国をあげて台湾や欧米の先端半導体の製造誘致や先端半導体の国内生産を促す・支援する計画です。
製造メーカーの技術者は生き残りをかけて半導体関連の製造・研究・開発に人材が移ることも考えられます。
加えて今後はよりAIを活用した製造品や技術の開発が加速していくことが予測されます。
半導体製品もAI機能との兼ね合い・相乗効果をより意識していかなければならない局面でもあると考えられます。