政府の半導体製造助成と電気自動車製造をめぐる動き

政府のものづくり分野への助成
2023年11月、政府の総合経済対策が閣議決定されました。
2023年の補正予算案では半導体分野に3兆3550億円の拠出を経済産業省が求めています。
ものづくり分野においては経済安全保障対策の観点から、
半導体や蓄電池などを重要物資と位置付けて助成を積極的に展開することが明らかとなっています。

半導体においては熊本のTSMCの新設工場の行方が注目されています。
TSMCは熊本の第2工場で2027年に6ナノメートルのプロセスルールの半導体の量産を目指しているということでさらに注目されてもいます。
また北海道ではラピダスが2ナノメートルのプロセスルールの演算半導体製品の量産を目指しているため、
先端半導体の国内企業による国内生産へ向けて政府からも助成を受けるかたちになっています。

気になるのは自動車製造をめぐる変革
筆者としてはやはり日本のクルマメーカーの電気自動車製造の行方が気になります。
インフラ側では太陽光や風力などの再生可能エネルギーで将来的に電気やグリーン水素を安定的に・多量につくれるようになるのか気になります。
自動車製造分野では電気自動車の製造・販売で米テスラや中国BYDなどが先行しており、
日本の自動車製造メーカーがこれから打ち出す電気自動車製品などにも注目が集まっています。
2023年10月28日から11月5日の9日間、ジャパンモビリティーショー2023が開催されました。
このイベントでは日本の自動車メーカーが新しいEVを展示・公開しました。
トヨタ自動車は車載電池開発で底力があり、クルマ本体や車内のデザインの自由度を広げる車載電池の搭載の仕方を創造していることもわかってきました。
「モーターショー」から「モビリティーショー」に改名された背景には人の移動を支えるさまざまな製品が発表される場となってきているようです。
また、このイベント以外にもトヨタ自動車は10月31日に、
米国でEVを量産する土台となるノースカロライナ州の車載電池の製造工場に大規模なさらなる設備投資を表明しています。
これとは別に2023年10月にLGエネルギーソリューションとトヨタはリチウムイオン電池の供給契約を締結しており、
米国でのEV生産は車載電池の必要量の調達が可能となる見通しとなる模様です。