半導体製造・供給網の行方について

日本の対韓輸出規制が段階的に解かれる模様です。
フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミド等の日本の対韓輸出規制が徐々に解かれることが考えられます。
韓国と日本の関係が良好に向かうことは良いことであると考えられます。
半導体製造において米国が主導する同盟関係の環境下では、
韓国と日本の協調体制の構築はものづくり分野においても重要になってくると考えられます。

台湾の半導体受託製造メーカーは米国企業の半導体設計をもとに着実に次世代半導体製品を製造してきています。
その歴史とともにTSMCなどは他に代替できない最先端の現場の半導体製造技術を持っています。
最近になって台湾での先端半導体製造だけに頼るわけにもいかなくなってきている複雑な状況もあり、
TSMCの生産拠点が米国、日本、欧州などに分散化されることが考えられます。

演算半導体製造の最先端技術で進んでいるのは台湾と韓国の大手メーカーです。
ただ中国が急速に半導体製造の分野でも進歩をしています。
日本の半導体製造関連技術の強みは素材・加工技術・半導体製造装置などです。
半導体製造領域においての日本メーカーは製造基盤を支える技術や製品を多く保有しています。
日本のメーカーの中では中国の市場を重要視して生産拠点を設けて製造している企業もあります。

ラピダスなどは日本国内で2nmのロジック(演算用)半導体量産に向けた取り組みも北海道で始まろうとしています。
パソコンやスマホ生産が成熟してきている状況で、
多くの半導体製品を搭載する電気自動車の製造領域に今後注目が集まると考えられます。
半導体チップの進化とともに、ハードウェアとソフトウェアの両面で自動車の関連技術の革新が進むと考えられます。
電気自動車製造のこの先を見通すことは現段階では困難であると考えられます。

2022年末から米国による中国の半導体関連企業への輸出規制がより厳しくなってきています。
日本は中国の市場を重要視し注力しているメーカーも数多く存在しています。
米国が主導する半導体関連の取り決めに従うことが求められてくる可能性も増してきています。
半導体や電気自動車製造関連で中国で地産地消の工場を稼働しているメーカーにとっては悩ましい状況となっていく可能性もあります。