半導体チップの近況
米インテル業績不振も挽回の余地あるか
2024年9月、直近でインテルの業績が不振であることが報じられています。
中央処理演算半導体CPUなどの超微細化設計・製造に遅れをとったあたりから、
台湾TSMCなどとの生産技術に差が開いていると指摘されているようです。
ですがインテルもこのままの状況の打開を図っていると見られます。
2024年9月にインテルは最新のチップ「Core Ultra 200V(Lunar Lake)シリーズ」最大48TOPSのNPUを備えた製品を発表しました。
Micrsoftが掲げたCopilot+PCの要件を満たしたチップです。
他方でAMDやアップルなどは、AI半導体・先端半導体の製造は台湾のTSMCが受託製造を担っています。
AMDも2024年7月に最大50TOPSのNPUと、CPU・GPUを組み合わせたCopilot+PCの要件に対応したSoC、
「AMD Ryzen AI 300」を発表しています。
いまやTSMCの最先端かつ超微細化設計の半導体チップ製造技術は世界屈指を誇っています。
省エネルギーで処理速度も速い先端半導体はアップルのPCであるMac製品や、
インテルやAMDのチップが搭載されたWindowsパソコン製品に搭載されています。
日本のパソコンメーカーはクアルコム製の、
Snapdragon X eliteやX Plusなどのチップを搭載したCopilot+PC機種をいまだに発売していません。
(2024年9月執筆現在)
家電量販店を見ても日本のパソコンメーカーは個人向けのパソコン製品では、
インテル製チップとAMDのRyzenチップを搭載したパソコン製品が多く販売・店頭展示されています。
パナソニックやdynabookなどはインテルのCore Ultraチップを搭載したノートパソコン製品を発売しています。
インテルは米政府から先端半導体の製造・開発支援として巨額の資金支援を受けることも報じられています。
インテルの不振は受託製造事業の投資負担や、CPU(中央処理演算装置)など主力製品のシェア低下などの問題を抱えていることを表しているといいます。
アームがインテルの設計部門の買収を提案して、それに対しインテルは半導体設計事業を売るつもりはないと回答したといいます。
クアルコムも実現可能かは不明ですがインテルに買収を打診したことが報じられています。
長年インテルとパソコン向けCPUなどでライバル争いをしてきたAMDはTSMCに受託製造を担ってもらい、
協力して先端半導体チップの開発・量産を先行させています。
TSMCと協業できている先端半導体メーカーは微細回路設計・更なる性能の向上で業界をリードできるようになってきているようです。