先端半導体製造の近況
画像、イメージ(CPU)
アメリカのアリゾナ州に新設するTSMCの工場で4ナノと3ナノの先端半導体を製造する計画であることが2022年12月報じられました。
アメリカ国内にロジック演算半導体の最先端品が製造できる体制を整えたことは大きな意義があるかもしれません。
日本では熊本にTSMCの半導体製造工場が新設されます。
日本でも熊本で、周辺の九州域内で雇用と新しい製造の仕事が興ると考えられます。
また、別に日本国内ではラピダスという2ナノプロセスの最先端半導体の製造を目標とする新会社が発足し、注目されます。
ラピダスはアメリカのIBMが技術協力をすることが発表されています。
IBMは技術的に2ナノメートルの先端半導体を2021年に開発済みであり、期待できると考えられます。
日本でもアメリカでも両政府が大規模な補助金を出資して先端ロジック半導体生産の自国誘致に注力しています。
TSMCとしても台湾での生産へのこだわりはあるものの、サプライチェーンの安全保障上の懸念から、
アメリカでの先端品の製造に舵を切ったかたちであると考えられます。
2022年12月中旬執筆現在のところ、TSMCは日本では最先端品の半導体を製造する計画はないようです。
TSMCの最近の動向
「TSMCは2020年には、米国アリゾナ州フェニックスに12インチファブを開設する計画を発表しています。
この第1工場では、2000人の雇用が創出される見込みで、4ナノメートルプロセスを採用し、ウェハ月産2万枚を予定しています。
2024年のフル稼働を予定しており、その時点で米国最先端のファブとなる見込みです。
さらに2022年12月に計画が発表された第2工場では3ナノメートルプロセスを採用し、第1工場との合計400億ドルの投資で4500人の雇用を生み出す予定であるといいます。」
(「」TSMC、概要 Wikipediaより引用)
半導体は微細化、高機能化かつ省エネルギーの設計がこれからも追及されていくと考えられます。
超微細化を実現しているTSMCはまさに世界の最先端技術を保持しているといえます。
微細化技術が極限まで到達すると考えられる将来、先端半導体は三次元実装の観点からさらに新技術が現れ出ていくという声もあります。
いわゆる三次元実装は半導体の後工程が担うと言われていて、半導体の進化は素材・化学・技術の観点からさらに進むと見られます。
日本では素材・化学・半導体製造装置や加工・基板などで高い技術力とシェアを持つメーカーがあります。
今後の設備投資・技術開発が注目されます。