今後の蓄電池、エネルギーについて
2022年7月上旬執筆現在も、リチウムの価格が高値であるといいます。
車載向けの蓄電池の量産をめぐってリチウムの安定調達は自動車製造の分野では大きな課題となっていくようです。
自社製品ではなく電池の製品を輸入をして搭載する場合、円安の影響を受けるのではないかと懸念されます。
希少金属の代替を模索する電池製造における最近のトレンドは自動車のものづくりにおいて非常に重要となってきていると感じられます。
リチウムイオン電池は1990年代にソニーが世界に先駆けて製品に搭載しました。
それから約30年弱が過ぎた現在でも実用的であるという面で電気自動車搭載向けにもリチウムイオン電池の開発製造が行われ続けています。
次世代の蓄電池は全固体電池
車載用電池は従来のリチウムイオン電池の次は全固体電池が注目されています。
トヨタ自動車は世界でも先駆けて研究開発に当たってきています。
次世代電池である全固体電池は電池製造コスト、電池の価格の低減が一番の課題であるといわれています。
ですが全固体電池は従来のリチウムイオン電池に比べて安全性や航続距離の延伸は確実視されています。
電池の研究開発・製造は中国や韓国の大手メーカーも進めており、
全固体電池においてどのメーカーが先行するのか注目されています。
エネルギー安全保障の観点から
ロシアによるウクライナ侵攻とその経済制裁下での影響によって、
今改めて天然ガスや石油などエネルギーの安全保障が課題として浮き彫りとなっています。
EUではその状況下でエネルギーの自立の観点から持続可能なエネルギーとして、
発電時に二酸化炭素を排出しない原子力と石炭より二酸化炭素の排出が少ない天然ガスを持続可能なエネルギーとして分類することを決めています。
これは再生可能エネルギーが主力の電源に成長するまでの繋ぎの期間、
原子力と天然ガスが現実的に必要となると見なしているからであるといいます。
日本も欧米の構想を見て取り入れていく可能性が高いと感じられます。
インフラである再生可能エネルギーはともかく、
ものづくりにおいて自動車の脱炭素化や電気自動車化は今後10年の間に進んでいくと考えられます。