フラッシュメモリー製造事業の組織再編の動きについて

(画像、SSD)

フラッシュメモリー半導体製造メーカーのキオクシアと米ウェスタンデジタルが経営統合で調整していることが2023年10月中旬に報じられました。
キオクシアとは旧東芝メモリです。
東芝の経営危機に事業が売却され東芝から離れ独立して現在のキオクシアという社名となっています。
キオクシアに間接出資をしている韓国のSKハイニックスはキオクシアと米ウェスタンデジタルのメモリー半導体事業の統合に反発を示しており、
今後の協議を注視していく必要があると考えられます。

フラッシュメモリーとはデータの読み書きができる不揮発性の記憶媒体です。
不揮発性とは保存をすれば電源が落ちても記録が残る特性を持つことを示します。
キオクシアが手がけるのはNAND型フラッシュメモリーと呼ばれる半導体製品です。
NAND型フラッシュメモリーは微細化が進んでいった後に積層化の開発が進んで、製品の開発競争が激しくなっています。
現在ではサムスン電子やSKハイニックスなどの韓国のメーカーなどが製品開発において世界をリードしている状況です。
また中国の半導体メーカーも成長を続けて韓国のメーカーを追っています。

家電量販店に行っても現在ではパソコン製品のストレージ(データの記憶装置)仕様が、
ハードディスクからSSDソリッドステートドライブと呼ばれるフラッシュメモリへとほぼ移り変わっています。
SSDはハードディスクに比べてデータの読み書き速度は圧倒的に速く耐衝撃性もあります。
軽量化や省電力性能・耐衝撃性能が求められてきているノートパソコンにおいては現在SSDの搭載が圧倒的支持を得ています。
AppleのMacにおいても早期からストレージ仕様がSSDとなっています。
Windows機においても2010年代後半にはSSDがノートパソコン製品に搭載される割合が増えていきました。

2023年現在ではフラッシュメモリー半導体の不況が顕著であるという専門家の指摘があるようです。
キオクシアと米ウェスタンデジタルは2023年10月執筆現在のところともに3四半期連続の赤字経営に陥っているといいます。
2024年の半導体市況の改善とメモリー半導体事業の立て直しが望まれるところです。