クルマ向け半導体の不足から考える
2021年1月下旬執筆現在、新聞で自動車向け半導体の不足が大きく報じられています。
今半導体の先端を行っているのはTSMCなどの台湾の受託生産半導体メーカーです。
日本アメリカ欧州の国々は台湾に自動車向けの半導体の増産を要請しています。
ちなみに2021年1月下旬現在、台湾のTSMCなど半導体製造メーカーの工場は100%稼働状態であるといいます。
日本国内ではルネサスエレクトロニクスが自動車向け半導体の生産をしていくと報じられました。
多くの業界でコロナ下で苦境に立たされている中、半導体業界は大忙しとなっているようです。
台湾のTSMCなどの半導体受託生産大手メーカーの増産への要請の対応で設備投資も堅調になる流れとなっています。
そうして自然と日本の半導体製造装置メーカーの業績も良くなっています。
アメリカは2021年1月20日にバイデン新大統領のもと、新政権が発足したばかりです。
アメリカの半導体設計のものづくりは設計をアメリカで、受託生産を台湾などの受託生産大手が担う、いわゆる水平分業の体制で生産スケジュールが組まれています。
他方でクルマ自動車メーカーは特に日本のクルマメーカーはいわゆる垂直統合型の体制で生産が行われてきました。
クルマ向けの部品メーカーはクルマに特化して専門的に部品を製造・開発する風がまだまだあります。
半導体はありとあらゆる製品に搭載され、その製品の種類も豊富で、総合的にクルマ向けだけの製品に特化するにはまだ困難があると言われています。
そんな中に自動車搭載向けの半導体の不足の問題が浮上しています。
単純に水平分業型が良いのか垂直統合型のものづくりが良いのかは未だ筆者には不明です。
ただここに来て車載向け半導体の状況はものづくりの世界の重要なコラボレーションであることは間違いないと考えられます。
自動車の生産はその単価が高いために需要を満たすようなフル稼働が望ましく、車載向け半導体不足による若干の減産スケジュールは痛いです。
半導体生産側にはクルマ向けに特化した半導体の生産スケジュールを、改めて新たに編んでもらうことが望ましいと考えられます。