クルマの合成燃料について


クルマの合成燃料の実用化が始まろうとしています。
再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素で炭化水素(ガソリン)を得るというものです。
ポルシェが開発していると報じられています。
再生可能エネルギーで得た電気で水の電気分解をして水素を得ます。
この水素はグリーン水素と呼びます。
このグリーン水素と二酸化炭素を合成した燃料をエンジン車に供給するというものです。
既存のエンジン車での環境対策として期待されます。

このカーボンフリーの合成燃料は、ガソリン車をハイブリッド車並みの環境性能に高められると言われています。
カーボンフリーの合成燃料を得るというのは、燃料の調達の将来のキーワードとなりそうです。

日本の国内では新車の4割が軽自動車であるといいます。
軽自動車は今後すべてEVもしくはハイブリッド車化が進むとされていますが、
既存のガソリン車やハイブリッド車の燃料としてカーボンフリーの合成燃料は、
既存のクルマの環境性能の底上げに繋がりそうです。

合成燃料を普及させるためには価格、コストが重要な鍵となってきます。
ガソリンよりも高くなるけれども環境性能が上がることになれば、規制や税的な優遇が受けられるとしたら優位となる可能性もあります。
ガソリンの消費が続くことも想定してのカーボンフリーの合成燃料はエンジン車に魅力を感じて愛用しているユーザーにとっては魅力的かもしれません。

日本では火力による発電に頼っている苦しい面があります。
カーボンフリーの合成燃料は水素燃料電池とともに心強い切り札の1つとなる可能性もあります。
それでも日本でもグリーン水素を調達するための技術や設備の普及が待たれます。
グリーン水素を得るための再生可能エネルギーの導入も欠かせません。
中国の太陽光、欧州やアメリカの風力などの再生可能エネルギーは格段に安くなってきています。
安い再生可能エネルギーの供給が安定して得られるようになってきている国や地域ではカーボンフリーの合成燃料開発は有意義かもしれません。