蓄電池・発電から蓄電と送電システム

新しい原発や原子力発電所の構築が相次いで凍結されるなど不透明な状況を受けて、再生可能エネルギーの可能性を拡げることの重要性が高まってきています。
東日本大震災・原発事故で工夫されたのはまず省エネ・省電力でした。
それから液化天然ガスによる火力発電が発電の主流になっています。
そして日本の政府は再生可能エネルギーを主力電源と位置づけ、2030年までに電源構成比の22~24%と目標を定めています。

太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーの一部は天候に左右されやすいという現実があります。
太陽光発電は特に日照時間・天候に発電の生産量が左右されやすく、電力を供給する側は需給のバランスをとるのに工夫が必要です。
九州地方では、日本国内では供給する際の優先順位が原子力発電などの電源・電力が優先されている現実もあって、2018年には九州電力が九州にある太陽光発電の事業者に呼びかけて出力制御を行ったことが大きく報じられました。

出力制御の課題・問題が実際に事例として現実に出たということは、余剰の電力が生まれているということでもあります。
発電された余剰電力は無駄なく使いたいというのが理想ではないかと考えられます。
当然、大きな電力会社のほうも、実際に太陽光発電で余剰電力が生産されたという事例を参考にして、余剰の電力が生じた際にそれを生かす方向で技術開発やインフラストラクチャ(供給網)の開拓ができないかと考えざるを得ない状況でもあるかと考えられます。

新聞の記事を追っていると、やはり再生可能エネルギーをより有効活用するための研究や製品が生み出されています。再生可能エネルギーで発電された電力の蓄電や活用、蓄電池・蓄電システムなど、貯めた電力の送電技術や利活用、供給網について研究する動きが実際に見受けられるようになってきました。

各家庭レベルでも太陽光パネルの設置をしてその発電でやりくりしている家庭や、蓄電池を設置・活用して生活に使う電気の活用を工夫している家庭も現在では見られるのではないかと考えられます。

FITと呼ばれる固定価格買い取り制度も適用期間が10年に限定されている制度のため、今後各家庭・家レベルでも電気の上手なやりくりの知恵がより求められてくると考えられます。
電力を供給する大手の電力会社も、再生可能エネルギー導入に関わっている側も、そして各家レベルでも生活の営みに使う電気の活用法に関する知恵や技術・設計や発想が今後より一層前進するかもしれません。

そして、それはものづくりや製造の分野でも、活躍が期待できるような製品やアイデアが生まれてくる余地があるのかもしれません。