先端半導体でTSMCが他を圧倒
台湾TSMC2024年7~9月期最高益
TSMCは2024年10月17日に2024年7~9月期の決算を発表しました。
売上高・純利益が過去最高を更新したとのことです。
あわせて業績見通しも上方修正しています。
TSMCの好業績には付加価値の高い先端演算半導体の売り上げが堅調であることが背景にあるといいます。
最近では、5nm、3nm回路設計の先端半導体が好調であるといいます。
TSMCは半導体前工程の受託生産の世界シェア6割強程度を占めているといいます。
米国などの大手先端半導体設計企業の受託製造をTSMCが世界で一番多く担っている状態です。
Appleやエヌビディア、AMDなどの先端半導体設計企業は、TSMCの現場の製造技術によって、
現実に半導体の製品をリリースすることができるようになっているということであろうと考えられます。
AI関連の需要の見極め
TSMCのCEO魏哲家氏は10月17日の決算発表の場で、AI関連の需要は極めて順調であること、
AI関連の需要は今後何年も続くだろうということをコメントしています。
エヌビディアのCEOジェンスン・ファン氏は、
これから自然言語を使ったプログラミングを実現させていくことを表明しているといいます。
AIの学習に使われる情報は英語の情報量が他国の言語よりもはるかに量が多いと言われています。
これは今後のAI開発の動向にもよりますが、
現在のところ、英語の自然言語によるプログラミングのほうが、
他国の言語の自然言語によるプログラミングより質的に優位になりやすい傾向であることが考えられます。
ただ日本国内でも日本語使用を想定したAI開発も進むと考えられます。
AI関連でも今後精度の向上や日本語対応への期待が膨らみます。
日本国産の2nm先端半導体開発・量産を目指すラピダス
国産の先端半導体の量産を目指すラピダスは先端半導体の量産にかかる費用がおよそ5兆円であると指摘されています。
2024年10月中旬執筆現段階で国からの補助が9000億ほど、
企業からの支援がなんとかおよそ1000億円を確保したところであるといいます。
ですのでまだこれから追加で4兆円の資金補助を必要としている計算になります。
国内の大手金融機関は実績のない企業への巨額出資は難しいという反応を示しているようです。
実績をつくりだすためにも必要となる資金援助を現実に受けられるかも1つの大きな課題のようです。