先端半導体製造の潮流

米クアルコム、米インテルに買収を打診か
2024年9月、クアルコムが業績不振のインテルに買収を打診したと報じられています。
過去最大規模のM&Aとなるとのことですが、
実際に認可されるか・実現できるかは不透明であるとのことです。

最近の情勢としては、スマホ向け半導体チップ設計・製造大手が、
パソコン向け先端半導体の開発にも携わってきています。
微細設計重視で技術の歩みを進めてきたスマホ搭載向け先端半導体技術の恩恵は、
広くタブレット・ノートパソコン・デスクトップパソコンなどにも応用され、活用されるようになっています。

米政府はインテルを支援
米政府はインテルへ大規模な資金援助をする計画です。
自国に先端半導体の生産拠点を設けることは、
先端半導体がAI人工知能や次世代の自動車などに欠かせない製品であることもあり、最重要な経済安全保障上の課題となっています。

日本も例外ではなく、
日本国内でも熊本に台湾の先端半導体受託製造大手のTSMCの第1・第2工場の誘致と、
TSMCへの日本政府による巨額の資金支援なども製造業関連では大きな話題となっています。
TSMCは米国や欧州でも半導体の生産拠点を設ける方針です。

日本国産の先端半導体の開発・量産化を目指すラピダスも北海道に開発・生産拠点を設ける計画が進行中で、
ラピダスも日本政府から巨額の資金支援を受けることとなっています。

半導体製品の超微細化で技術先行しているのは台湾のTSMCや韓国のサムスンが代表的です。
他には、生成AI向けのデータセンター・サーバーに搭載する広帯域メモリHBM開発・製造では、
韓国のSKハイニックスが先行しています。
SKハイニックスは次世代HBMの開発でTSMCと協力することなどもニュースで取り上げられています。
TSMCの製造技術の恩恵を受けているのは米エヌビディアやアップル、AMDなども挙げられます。
クアルコムやアップルなど、設計する企業と、TSMCなど実際に受託製造を行う企業が、
いわゆる水平分業の構図で先端半導体をつくりあげる手法が世界で優位となって主流となってきています。