マンガン団塊と希少金属資源の再利用

(海、イメージ画像)

マンガン団塊(マンガンノジュール)
「マンガンノジュールはマンガン団塊、多金属団塊とも呼ばれます。
深海の海底に存在する凝結塊です。
コアの周りに同心円状に水酸化鉄と水酸化マンガンが層状に凝結したものです。
コアは微化石(放散虫や有孔虫)の殻や、
燐灰石などのリン酸塩鉱物に置換されたサメの歯や、
玄武岩のデブリ、さらにはすでに形成されていた別の団塊(ノジュール)の破片であることもあります。
コアは顕微鏡的大きさであることもあります。
結晶化作用により完全にマンガン鉱物に置換されていることもあります。」
(「」 マンガン鉱物、Wikipediaより引用)

日本の排他的経済水域でとれるマンガンノジュール
小笠原諸島の南鳥島周辺の海域で大量のマンガンノジュールが発見されました。
マンガンノジュールは岩石のかけらやサメの歯などを核に、
その周りに鉄やマンガンの酸化物が沈積し同心円状にとても長い時間をかけて成長して、
その中には銅やニッケル・コバルトなどを豊富に含みます。
希少金属資源に乏しいとされている日本で排他的経済水域で採取可能なマンガンノジュールから、
産業・製造業で有用な希少金属を採取可能になれば、
資源調達の選択肢を拡げることにつながるとも考えられます。

最近になってクルマの車載電池などに含まれる希少金属を採取して再利用する取り組みが始まろうとしています。
リチウムやコバルトなど希少金属がリチウムイオン二次電池(蓄電池)には搭載されています。
太陽光パネルなども企業の取り組みで資源の分別回収、再利用が始まっています。
海底に存在するマンガンノジュールから有用な希少金属が採取できる可能性があることは大きなニュースであると考えられます。
ただ、マンガンノジュールは膨大な時間をかけて自然界がつくりだした資源です。
採取による影響分析や採取する海底・海域周辺環境への負の影響などがないかなどを慎重に分析・調査する必要もあるかもしれません。