有限要素法
有限要素法(Finite Element Method, FEM)は、連続的な物理現象を離散的な要素に分解して近似的に解を求める数値計算手法です。特に、構造解析、流体解析、熱伝導解析などの複雑な境界条件や形状を持つ問題に対して使用されることが多いです。
基本的な手順は以下のとおりです:
1.領域の分割:物理的な対象領域をより小さな部分(有限要素)に分割します。これらの要素は三角形、四角形、四面体、六面体などの形状を持つことが多いです。
2.要素ごとの方程式の設定:各要素における物理的な振る舞いを近似的な方程式で表現します。要素の形状や性質に応じて、局所的な方程式の形が決まります。
3.全体方程式の組み立て:すべての要素方程式を組み合わせて、全体の方程式を構築します。
4.境界条件の適用:問題に対する既知の条件(固定されている部分、力が加わる部分など)を方程式に適用します。
5.方程式の解の求解:数値計算手法を使用して、方程式の解を求めます。得られた解は、領域全体の物理的な振る舞いの近似的な表現となります。
6.結果の解釈:得られた解をもとに、応力、変形、温度分布などの物理的な量を解釈します。
FEMは、現代のエンジニアリングや物理学において非常に一般的な計算手法として使用されており、多くの商用およびオープンソースソフトウェアが開発されています。
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