X線（エックス線、X-ray）は、電磁波の一種で、波長が非常に短く、高いエネルギーを持っています。X線は主に医療や工業などで使用され、その特徴的な性質からさまざまな応用が可能です。以下は、X線の特徴や用途についての簡単な説明です。

X線の特徴

• 波長が短い: X線は紫外線よりも波長が短く、可視光線の範囲外に位置しています。このため、物質に対する透過力が強いです。
• エネルギーが高い: X線は非常に高いエネルギーを持っており、物質に対して強力な作用を及ぼすことができます。
• 透過性: X線は人体や物質の中を透過する能力があり、骨や金属など密度の高い物質はX線をよく吸収しますが、柔らかい組織や空気は透過しやすいです。

X線の用途

１．医療分野:

・診断用X線撮影: X線は医療分野で骨折や肺の病気などを診断するために使用されます。レントゲン撮影が代表的な例です。骨や肺の状態を簡単に観察できます。

・CTスキャン: コンピュータ断層撮影（CTスキャン）もX線を利用して体の内部を断層画像として映し出します。これにより、より詳細な内部構造の可視化が可能です。

２．工業分野:

・非破壊検査: 機械や建物の構造内部を壊さずに検査するためにX線が使用されます。例えば、金属部品の内部に欠陥がないかを確認するために使われます。

３．研究分野:

・X線結晶構造解析: 分子や結晶の構造を調べるためにX線を利用します。たとえば、DNAの二重らせん構造の発見にはX線結晶解析が重要な役割を果たしました。

安全性

X線は強力な放射線であるため、長時間または高エネルギーの曝露は細胞にダメージを与える可能性があります。医療や工業で使用する際には、被曝量をできるだけ少なくするように注意が払われます。

X線の利用は多岐にわたり、その高い透過力とエネルギーを活かして、私たちの生活や科学技術に貢献しています。