鋳造金型

金型(die or mold)は、金属やプラスチックなどの材料を特定の形状に成形するための道具で、一般的には高い精度と耐久性が求められます。鋳造金型は、この金型の一種で、主に金属の液体(溶融金属)を流し込んで特定の形状に成形(鋳造)するために使用されます。

鋳造金型は、一般的には以下のステップで製造されます。

1.設計: 製品の形状、サイズ、および他の仕様に基づいて金型の設計が行われます。これには、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアが一般的に使用されます。

2.製造: 設計図に基づいて金型が製造されます。これには、切削、銑削、研磨などの機械加工プロセスが使用されることが多いです。

3.鋳造: 溶融金属が金型に注がれ、冷却されて固形化します。このプロセスを通じて、製品の形状が得られます。

4.後処理: 鋳造物はさらなる加工や研磨が行われ、必要な精度や表面仕上げを達成します。

なお、鋳造金型は一般的には鋼、鋳鉄、アルミニウム合金などの耐熱性と耐摩耗性に優れた材料で作られます。また、使用する材料や設計によって、金型は単一の部品を作るためだけでなく、大量生産にも使用できます。それぞれの製品や用途によって、最適な金型の種類や設計が異なります。



 

鋳造中子について

鋳造の中子は、鋳型内で中空部分を形成するために使用される部品です。中子は、主に複雑な形状や内部空洞を持つ鋳物を製造する際に用いられます。以下は、中子に関する基本的なポイントです:

1. 中子の役割

・鋳型内の空洞部分を作る。

・鋳物の内面形状を正確に形成する。

・製品の寸法精度や仕上がり品質を確保する。

2. 材料

中子は通常、鋳物砂とバインダー(結合材)で作られます。材料の選択は、鋳造する金属の種類や鋳造条件によって異なります。

・シリカ砂: 一般的な砂型鋳造に使用。

・バインダー: 樹脂系、無機系、または油性のものなどが使用される。

3. 中子の製造方法

・シェル中子法(シェルモールド法)
砂に熱硬化性樹脂を混ぜ、加熱された金型内で硬化させて成形。

・CO₂硬化法
砂に水ガラスを混ぜ、CO₂ガスを吹き込んで硬化。

・ホットボックス法
樹脂砂を加熱型に注ぎ込み、加熱硬化。

・冷間ボックス法
砂に常温で硬化するバインダーを混合し、硬化剤を吹き込む。

4. 中子の種類

・シンプル中子: 単純な形状の空洞を形成。

・複合中子: 複雑な空洞や多方向の構造を形成。

・壊れる中子(ロストコア): 取り外しが難しい場合、壊して除去する。

5. 使用時の注意点

・収縮補償: 鋳物金属の冷却・収縮を考慮した設計が必要。

・脱型性: 鋳造後に中子をスムーズに取り出せるように設計。

・熱膨張: 中子と鋳型との熱膨張の違いを考慮する。

6. 課題と対策

・ガス欠陥: 中子内部にガスが溜まると鋳物に気泡ができる可能性があるため、通気性を確保する。

・表面品質: 中子表面の粗さは鋳物の内面に影響するため、適切な砂や塗型材を選ぶ。

中子は鋳造の精度や効率を大きく左右する重要な要素です。


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