耐久性に優れた鍛造

<例>鍛造部品の3dスキャン


鍛造(たんぞう)は、金属を加熱して叩きながら成形する加工方法で、強度や靭性が必要な部品に使われます。鍛造の工程は大きく分けて以下のようなステップで進められます。

1. 素材の準備

鋼やアルミなどの素材を、所定の大きさや形状に切断し、鍛造しやすい形にします。

2. 加熱(焼き入れ)

素材を高温(通常は800~1200℃)に加熱します。金属を適切な温度に加熱することで、加工が容易になり、素材の内部に均等な変形を与えられるようになります。

3. 成形(鍛造)

素材が十分に加熱されたら、ハンマーやプレス機で打ち叩いて成形します。成形の方法には以下のような種類があります。。

・自由鍛造:職人が手作業で形を整える方法。小規模な部品やカスタム品に用いられます。

・型鍛造(型打ち鍛造):専用の金型に素材を挟んで形状を作り出す方法。大量生産に適しています。

・ローリング鍛造:素材をロール間に通して薄く延ばしながら形を整える方法。

4. 熱処理(焼き戻し、焼きなまし)

鍛造によって生じた内応力を除去し、部品の強度や硬度を調整するために、再度加熱と冷却を行います。熱処理にはさまざまな手法があり、製品の用途に応じて選ばれます。

5. 最終仕上げ・検査

鍛造で成形された部品を、表面仕上げや研磨、検査を行い、必要な品質や寸法精度を確認します。不良がないか、寸法が正しいかなどのチェックを行い、問題があれば再加工や修正を加えます。

鍛造は金属の内部組織が緻密化されるため、強度や耐久性に優れた部品ができる加工法です。