ステレオカメラ方式

ステレオカメラ方式計測(Stereo Camera Measurement)は、立体視の原理を応用して物体の三次元形状や位置を計測するための手法です。この方式では、複数のカメラを固定された配置で設置し、それぞれのカメラが異なる視点から同じ物体を撮影します。そして、これらの画像を解析して物体の位置や形状を求めることが可能です。

ステレオカメラ方式計測の原理は、人間の目による立体視の原理と似ています。両目から見る物体の位置に微小なずれがあるため、両目の視点から得られる情報を脳が統合して立体視を実現します。同様に、ステレオカメラ方式計測では、カメラ間のずれ(ベースラインと呼ばれます)によって、物体の位置情報を取得します。

ステレオカメラ方式計測の主な手順は以下の通りです:

1.カメラの配置: 2つ以上のカメラを一定の配置で設置します。これらのカメラは、物体を撮影するために異なる視点から物体を見る必要があります。

2.キャリブレーション: カメラの位置と内部パラメータ(焦点距離、レンズ歪みなど)を正確に知る必要があります。カメラのキャリブレーションを行い、各カメラのパラメータを得ます。

3.物体の撮影: ステレオカメラで同じ物体を同時に撮影します。撮影時には、物体の特徴点がカメラ間で共通して映るように注意します。

4.ステレオ対応点のマッチング: 両方の画像からステレオ対応点と呼ばれる、同じ物体上の対応する特徴点を見つけます。この処理には特徴点マッチングアルゴリズムが使用されます。

5.三角測量: ステレオ対応点とカメラ間のパラメータを使用して、三角測量を行い、各対応点の三次元座標を求めます。

6.三次元形状の復元: 得られた三次元座標から、物体の三次元形状を復元します。これにより、物体の大きさや形状を知ることができます。

ステレオカメラ方式計測は、工業分野での品質管理や製品設計、ロボティクス、コンピュータビジョン、3Dモデリングなど、様々な分野で活用されています。


カメラのキャリブレーション


カメラキャリブレーションのイメージ画像です。チェスボードパターンと3Dグリッド、再投影を示す線など、キャリブレーションプロセスの概要を視覚化しています。

 

カメラのキャリブレーションは、カメラで取得した画像を正確に幾何学的に解析するための手法です。特に、3D空間における物体の位置や寸法を正確に測定する場合に重要です。このプロセスは、カメラレンズの歪みを補正し、カメラの内部および外部パラメータを特定することで実現します。

主なキャリブレーションのステップ

  1. キャリブレーションパターンの準備
    市松模様(チェスボード)やドットパターンなど、幾何学的に規則的な模様のある板を使用します。このパターンを使って、カメラの特性を計測します。
  2. 画像の収集
    キャリブレーションパターンを異なる角度や位置で撮影した複数の画像を取得します。多くの場合、10~20枚の画像が推奨されます。
  3. 特徴点の検出
    パターン内の交点や中心点などの特徴点を自動的に検出します。これにより、画像内の点の位置がわかります。
  4. カメラモデルの適用
    標準的なピンホールカメラモデルを使用し、以下のパラメータを推定します:

    • 内部パラメータ: 焦点距離(fx,fyf_x, f_y)、光学中心(cx,cyc_x, c_y
    • 歪み係数: ラジアル歪みやタンジェンシャル歪み
    • 外部パラメータ: カメラの回転と平行移動(世界座標系に対するカメラの位置と向き)
  5. 最適化(誤差最小化)
    特徴点の検出位置と、推定されたカメラモデルによる位置との差を最小化するように調整します。このプロセスには「最小二乗法」や「非線形最適化」が使われます。
  6. 評価
    キャリブレーション結果を検証し、再投影誤差が小さいかどうかを確認します。再投影誤差が小さいほど、キャリブレーションが正確です。

使用ツール

  • OpenCV
    最も一般的なライブラリで、PythonやC++で使える。キャリブレーション用の関数が豊富。
  • MATLAB
    カメラキャリブレーションツールボックスを利用可能。
  • その他
    ROSや独自のキャリブレーションツールも選択肢。

応用分野

  • コンピュータビジョン: 物体検出やトラッキング
  • ロボティクス: ロボットのナビゲーションや操作
  • AR/VR: 正確な視覚表示のため
  • 測量: 3Dモデリングや空間計測
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