ものづくりでのX線CTスキャン利用について

X線CT(Computed Tomography)を用いたリバースエンジニアリングは、製品や部品の内部構造を非破壊的に調査し、その情報を用いてオリジナルの設計図を再構築する手法です。これは、既存の製品を改善したり、新たな製品を設計する際に有用なツールとなります。
具体的な手順は以下の通りです:
- スキャン: X線CTスキャナーは、被験物を360度からX線を照射し、その透過度を測定します。このデータから、被験物の内部構造を3次元で再構築します。これは、非破壊的な内部検査を可能にするため、従来の手法でアクセスすることが困難な部品の詳細な情報を取得できます。
- データ処理: 得られた3次元データは、通常、ボクセル(3次元ピクセル)と呼ばれるデータ形式で表現されます。このデータは、ボリュームレンダリングと呼ばれる技術を用いて視覚化されます。
- リバースエンジニアリング: 3次元データからCAD(Computer-Aided Design)モデルを生成することが可能です。このモデルは、オリジナルの設計図が不明であったり、改良や修正が必要な場合に使用できます。
このように、X線CTを用いたリバースエンジニアリングは、製品の設計、製造、品質管理において重要な役割を果たします。ただし、高解像度の3Dスキャンを行うためには高い計算能力と専門的な知識が必要になります。
鋳造製品の内部欠陥問題
鋳造製品の内部欠損は、品質管理の重要な課題の一つです。 内部欠損には、主に以下のような種類があります。
主な内部欠損
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縮孔(しゅくこう)・独り巣
- 金属が凝固する間に体積限界が近く、十分な溶湯が供給されないことで発生する空洞。
- 改善策:正しい冷却湯口・押湯設計、速度の調整
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ガス孔(ピンホール)
- 溶湯内のガス(H₂、N₂、O₂など)が凝固時に放出され、気泡となって残る痕跡。
- 改善策:予備脱ガス処理、適切な鋳型乾燥、適切な鋳込み温度管理
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スラグ巻き込み
- 溶湯中の酸化物やマットレス(スラグ)が鋳造時に混入し、内部に閉じ込められる。
- 改善策:溶湯の洗浄、フィルター使用、適切な鋳込み技術
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砂巻き込み(砂穴)
- 砂型の破片が溶湯とともに鋳型内に入り込み、内部欠陥として残る。
- 改善策: 砂型の強度向上、正しい鋳型硬化条件の設定
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偏析(へんせき)
- 成分が凝固するときに偏って分布し、脆弱な部分ができる。
- 改善策:冷却速度の最適化、合金組成の調整
内部欠損の検査方法
- X線検査:非破壊で内部の空洞やスラグ巻き込みを検査可能
- 超音波探傷(UT):内部の欠陥を音波の反射で検出
- CTスキャン:詳細な3D解析が可能
- 金属組織観察(断面検査):試料を切断し、研磨・研磨処理後に顕微鏡で観察
まとめ
鋳造製品の内部欠損は、材料選定、鋳造条件、湯流れ設計、凝固解析などの総合的な管理によって防ぐことができます。問題が発生した場合は、欠損の種類を特定し、原因に応じた対策が重要です。
X線CTスキャンで内部欠損状態を確認することが可能になります。